2022年01月24日
シマノ 22ステラ【スピニングリールの大きな進化点】
ダイワの22イグジストの記事を先に書きましたが、今年のニューモデルの中でもイグジストと共に注目度が高いのはやはりシマノの“22ステラ”でしょう。
今までの新製品のリールは、細かい所をブラッシュアップしていくような流れになっているように感じていますが、今回のステラは一気に大きく進化させるべく舵を切ったリールと考えています。
現在のスピニングリールの基本的な方向性としては、飛距離をいくらか犠牲にしてもライントラブルを極力減らすというものです。
例えばダイワのABS(アンチバックラッシュシステム)は元々は逆テーパーのスプールによってラインの放出抵抗を増やすことでトラブルを減らすものですし、シマノのAR-Cスプールはスプールリングの形状を工夫でライントラブルを減らすというものですが、それは同時にラインの放出を制限しているので飛距離は犠牲になってしまいます。
また、最近のリールはオシュレート(ハンドル回転時のスプールの上下動)を速めてラインを綾巻きにすることで、テンションがかかった時にラインが食い込むのを防ぐようになっています。
スプール内の下の糸にラインが食い込んでしまえば、次のキャスト時に放出されるラインが引っかかってしまってトラブルにつながるので、ラインを交差させながら巻き取ることで食い込みを防いでいます。
飛距離を出すにはラインの放出抵抗を減らす方向にしていけば良いのは分かりますが、前述のとおりトラブルの発生が増えてしまうので、どこでバランスを取るかという“トレードオフな関係”というわけです。
ステラの方向性としては、ミレニアムステラから01ステラ、その後の04ステラではスーパースローオシュレートとして密巻きにすることでトラブル回避よりも飛距離を重視するものだったようですが、ライントラブルが多いというユーザーの声からオシュレートを速めてトラブル回避のベクトルに舵を切っていました。
それが、2022年になって再びスーパースローオシュレートを採用するというのだから、何らかの“ブレイクスルー”があったと考えるのが妥当でしょう。
しかも、歴代で最も密巻きだったミレニアムステラよりもさらにスローなオシュレートで“超”密巻きになっているというのですから、驚きを禁じえません。
そのトラブル回避策として採用されたのは、ラインローラー下部につけられた弾性体“アンチツイストフィン”と“新形状AR-Cスプール”だそうです。
“アンチツイストフィン”によってラインをローラーに正しく導き、さらにテンションが抜けてもラインを脱落させないことでスプールにラインを整列させるというもの。
“新形状AR-Cスプール”はドラグノブをスプール内に凹ませたような構造で、これら2つの機構がトラブル回避に大きな役割を担っているようです。
「それだけの事で大丈夫なの?」という気がしなくもないですが、新品の平行巻きのスプールのラインを取り出していく事を想像してみて下さい・・・
スプールから出ていくラインの抵抗の少なさは想像に難くありませんので、飛距離も大きく伸びることは間違いないでしょう。
しかもラインが平行に巻かれていると、ドラグが出るときもラインローラーでの角度変化が小さくなるのでドラグ値も安定し、細糸で大物とやりとりするシーンでは大きなメリットとなります。
“INFINITY LOOP”と名付けられたこの機能について、カタログやWEBサイトには抵抗の大きさが大幅に低減されたような画像のグラフが載せられていますが、縦軸と横軸が何を表しているのかが一切不明というのはいけません。
このような演出は是非ともやめてもらいたいです。
とまぁそういう不満はさておいて、22ステラはライン放出への抵抗が少なく飛距離が伸びて、しかもトラブルレス。
さらにドラグ変化も小さくなるというのであれば、これはスピニングリールの大きな進化点と言えるでしょう。
これが実際どのレベルで達成されているのかは、実機を使ってみないことには分かりませんが、非常に楽しみな機種であることは疑いありません^^
22ステラは今後のスピニングリールの進化の方向を示す“試金石”となるモデルだと思いますので、是非とも使ってみたいです。
関連記事
シマノ 22ステラ 実機を触ってきました【その1:巻き感】
シマノ 22ステラ 実機を触ってきました【その2:新形状AR-Cスプールとアンチツイストフィン】
今までの新製品のリールは、細かい所をブラッシュアップしていくような流れになっているように感じていますが、今回のステラは一気に大きく進化させるべく舵を切ったリールと考えています。
現在のスピニングリールの基本的な方向性としては、飛距離をいくらか犠牲にしてもライントラブルを極力減らすというものです。
例えばダイワのABS(アンチバックラッシュシステム)は元々は逆テーパーのスプールによってラインの放出抵抗を増やすことでトラブルを減らすものですし、シマノのAR-Cスプールはスプールリングの形状を工夫でライントラブルを減らすというものですが、それは同時にラインの放出を制限しているので飛距離は犠牲になってしまいます。
また、最近のリールはオシュレート(ハンドル回転時のスプールの上下動)を速めてラインを綾巻きにすることで、テンションがかかった時にラインが食い込むのを防ぐようになっています。
スプール内の下の糸にラインが食い込んでしまえば、次のキャスト時に放出されるラインが引っかかってしまってトラブルにつながるので、ラインを交差させながら巻き取ることで食い込みを防いでいます。
飛距離を出すにはラインの放出抵抗を減らす方向にしていけば良いのは分かりますが、前述のとおりトラブルの発生が増えてしまうので、どこでバランスを取るかという“トレードオフな関係”というわけです。
ステラの方向性としては、ミレニアムステラから01ステラ、その後の04ステラではスーパースローオシュレートとして密巻きにすることでトラブル回避よりも飛距離を重視するものだったようですが、ライントラブルが多いというユーザーの声からオシュレートを速めてトラブル回避のベクトルに舵を切っていました。
それが、2022年になって再びスーパースローオシュレートを採用するというのだから、何らかの“ブレイクスルー”があったと考えるのが妥当でしょう。
しかも、歴代で最も密巻きだったミレニアムステラよりもさらにスローなオシュレートで“超”密巻きになっているというのですから、驚きを禁じえません。
そのトラブル回避策として採用されたのは、ラインローラー下部につけられた弾性体“アンチツイストフィン”と“新形状AR-Cスプール”だそうです。
“アンチツイストフィン”によってラインをローラーに正しく導き、さらにテンションが抜けてもラインを脱落させないことでスプールにラインを整列させるというもの。
“新形状AR-Cスプール”はドラグノブをスプール内に凹ませたような構造で、これら2つの機構がトラブル回避に大きな役割を担っているようです。
「それだけの事で大丈夫なの?」という気がしなくもないですが、新品の平行巻きのスプールのラインを取り出していく事を想像してみて下さい・・・
スプールから出ていくラインの抵抗の少なさは想像に難くありませんので、飛距離も大きく伸びることは間違いないでしょう。
しかもラインが平行に巻かれていると、ドラグが出るときもラインローラーでの角度変化が小さくなるのでドラグ値も安定し、細糸で大物とやりとりするシーンでは大きなメリットとなります。
“INFINITY LOOP”と名付けられたこの機能について、カタログやWEBサイトには抵抗の大きさが大幅に低減されたような画像のグラフが載せられていますが、縦軸と横軸が何を表しているのかが一切不明というのはいけません。
このような演出は是非ともやめてもらいたいです。
とまぁそういう不満はさておいて、22ステラはライン放出への抵抗が少なく飛距離が伸びて、しかもトラブルレス。
さらにドラグ変化も小さくなるというのであれば、これはスピニングリールの大きな進化点と言えるでしょう。
これが実際どのレベルで達成されているのかは、実機を使ってみないことには分かりませんが、非常に楽しみな機種であることは疑いありません^^
22ステラは今後のスピニングリールの進化の方向を示す“試金石”となるモデルだと思いますので、是非とも使ってみたいです。
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Posted by T.A.K.U. at 00:01│Comments(0)
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