フィッシングショーで気になった新製品の第一弾は、もちろんダイワの
“19セルテート”です。
ネットで「19セルテート」と検索してみても、上位に来るのは公式サイト以上の情報はほとんど無いまとめサイトが大半なので、かなり長文になりますが、そういったサイトとは違った切り口で書いていこうと思います。
DAIWAブースの正面に作られた19セルテートのコーナーはかなりの人気で、皆さんの注目度の高さが伺えました。
見た目は16セルテートから大きく変わり、初代04セルテートを思い起こさせるようなカラーリング。
ブースには各番手が展示されていましたが、
ボディは2500番と3000番の2種類となっており、2000番以下はラインナップされていません。
また、
“LTコンセプト”ということで、
重量は大幅に軽くなっています。
詳しいスペックは公式サイトに詳しく書いているので割愛しますが、
「軽くなった要因としては主にスプールとハンドルの軽量化によるところで、ボディはほぼ変わらない」そうです。
まず、今回のモデルチェンジ最大の変化点は
“モノコックボディ”になったということでしょう。
16セルテートHD(旧3500/4000番)でモノコックボディが採用され、18イグジストでマグネシウム合金による小型番手が出てきました。
そして今回、多くの方の予想通り、3年周期のモデルチェンジに合わせて、
セルテートがアルミボディでモノコック化されたというわけです。
この
“モノコックボディ”についてですが、従来はボディとボディカバーで構成されていたリール本体が、大きな円形の開口部のある1部品になり、その開口部にエンジンプレートを直接ねじ込むという構造になっています。
ボディカバーは3本のビスで固定していましたが、ボディカバーが無いということは、ビスを止めるスペースが必要ないので、それだけコンパクトなボディを作り上げることが可能になったのです。
モノコックボディになることで、同じ大きさのギヤを収めるのであれば、ボディはよりコンパクトに出来るようになりますし、同じボディの大きさであれば、より大きなギヤを収めることが出来ます。
今回19セルテートのドライブギヤは
“タフデジギヤ”となっていますが、素材としては
“超々ジュラルミン”で、
“冷間鍛造+マシンカット”によって作られる、
18イグジストに使われているギヤと全く同じものだそうです。
(正確に書くと、マグシールドBBが使われていない19セルテートは、真ん中の軸が18イグジストより少し短くなっています。)
少し解説しておくと、あらかじめ冷間鍛造でほぼ完成した形を作り、最後にマシンカットして求める精度に微調整するというものです。
ちなみに16セルテートも超々ジュラルミンで、冷間鍛造+マシンカットという同じ手法で作られていますが、18イグジストや19セルテートのギヤは
“新歯面理論”に基づいて設計されているそうです。
画像左が19セルテートで、右が16セルテートのドライブギヤですが、
同番手では大きさはほぼ変わりません。
(16セルテートと比べると約2%大径化されているそうです。)
大きさよりも
画像内の赤線部分にあたる歯面部分の幅に注目すると、19セルテートの方が少し幅が広くなっているのが分かるでしょうか?
さらに、ギヤの山の数を数えてみると
16セルテートの28山に対して、
19セルテートは31山と少し増えているのが分かります。
“新歯面理論”に基づいた歯面形状で、従来のものとは異なっていて、噛み合いの面積も大きくなっているとのことです。
また、画像からは分かりませんが、ギヤの厚みは部分によって19%から45%ほど厚くなっているそうで、耐久性は相当上がっているそうです。
そうなると、当然ギヤ単体の重量は増えてしまうわけですが、そこはモノコックボディによる軽量化で、前述した「ボディとしてはほぼ変わらない」というところまでもっていっているようです。
他にはオシレーティングスライダーをリールフット側に移動させていたりと、16セルテートから変更点はかなり多くなっています。
さらに、今回の19セルテートから浸水の可能性を無くすべく、
逆転ストッパーのスイッチが無くなっていることは、逆転機能を良く使っていた人には残念な点です。
18イグジストに使われている新型ストッパーを使えば浸水問題は解決できるみたいですが、そこはフラッグシップと差をつけたそうで、「不用意な逆転を防ぐ」という理由をつけて、より“タフ”さにベクトルを振ったという説明にも繋げているようです(笑)
またそれに伴って、「16セルテートで使われていたドライブ軸両端のマグシールドボールベアリングは無くしてしまっても問題無い」との結論になったそうです。
「では防水性能としてはどうなの?」ということで、ズバリ聞いてみたところ、「
16セルテートがIPX4 (いかなる方向からの水の飛沫に対し影響を及ぼさない:全方向からの散水[常温の水道水]の飛沫に10分間耐えられる)で、
19セルテートはIPX7(連続的に水中の中に入れても影響を及ぼさない:静止した水[常温の水道水]の水深1mに30分間放置しても水が浸入しない) なので、防水性能は確実にUPしています。」という答えを頂きました。
ホントにIPX7なの!?・・・ちょっと疑問は感じますが、水中でハンドルを回さない限りは水没させても問題無いと考えても良さそうです。
次に
“スプール”についてまとめておくと、19セルテートでは最近増えてきた
薄肉アルミを使うことで相当軽くなっています。
ちなみにPE1号が200m巻ける2510PE-Hを例に挙げると、セオリーと16セルテートでは薄肉アルミスプールのセオリーの方が、スプール単体で10g以上軽いので、16セルテートのスプールはかなり重かったと言えるでしょう。
新スプール形状は18イグジストと互換性があるものですが、
“スプールリング”については
18イグジストがチタンなのに対し、
19セルテートはステンレスにイオンプレーティング加工を施したものとなっており、ここでも差別化されています。
またLTスプールについての注意点として、従来の2500番のスプール径は48mmでしたが、LT2500は45mmとスプールそのものが小さくなっています。
今までの2500番と同じ48mm径はLT3000となっているので、2500番同士なら全く同じというわけではありません。
さらにスプール径に関して言えば、今までの3000番クラスはスプール径54mmでしたが、LT規格ではLT5000となり、今回の19セルテートにはラインナップされていません。
つまり、19セルテート4000-Cと4000-CXHは3000番のボディに、16セルテート3012Hよりも径の小さいスプールが搭載されていることになります。
RCSエアスプール2の重量を例に出せば、2500番クラスが33gなのに対し、3000番になると52gと一気に約20gも重量がUPしていますので、スプールが重くなってしまう54mm径(LT5000)をあえて出さず、従来の2500番(スプール径48mm=LT3000)と3000番の間をLT4000(スプール径51mm)として、スプール重量を抑えた軽いリールを作ってやろうという考えではないのかな?と勘ぐっています(笑)
ハンドルはシルバーの新形状となっており、18イグジストのように肉抜きはされておらず、しっかりした作りだという印象でした。
番手によっては16セルテートでは55mmだったものが19セルテートでは60mmと少し長くなっているものもあります。
他には、メインシャフトをステンレス製(18イグジストはアルミ製)にすることで、高負荷時に曲がりにくくしているのも、タフさを重視したセルテートゆえ、といったところです。
最後に“体験コーナー”として、16セルテートと19セルテートの巻き上げ比較をしてきました。
疑い深い性格なので、目の前でテンションが同じになるようにセッティングしてもらいました(笑)
ドラグチェッカーを使ってベイトリールのドラグを1kgになるようにセットし、ロッドを直線にしてリールのみでゴリゴリ巻き上げるというものです。
去年18イグジストでも同じようなものがありましたが、今回も明らかに違いが分かる程で、16セルテートではカクカクなってしまうような感じでしたが、19セルテートの方は全くカクカクはならず、圧倒的に楽に巻き上げられることが体験できました。
ギアの大きさはほぼ同じでハンドルの長さも同じなのに、これだけの差があるというのは正直驚きです。
さて、そんな“19セルテート”ですが、発売が楽しみでなりません^^
よりセルテートらしさが感じられそうなLT-3000XH(従来規格でいう2510R)を購入予定ですが、4月発売とのことなので楽しみにしているイカナゴパターンのシーバスには間に合うのかどうか微妙な感じです・・・
まぁ間に合わなかったとしても、買っちゃうんですけどね(笑)
2019.04追記:19セルテート購入後、各部の重さを量ってみた記事は
コチラです。
フィッシングショー大阪2019(目次)